米農家の一日(夏編)です。

園主でもある親父(米農家)の一日。

早朝4時過ぎに起床し、10時まで草刈りです。私も早朝4時過ぎに起きるのですが、親父のスマホは既にオンラインになっています。おそらく私よりも早く起きている。

10時以降は太陽の日差しが強いので、田んぼにいてはいけないルールとしています。お婆ちゃんを含む家族が心配するからです。

一つの田んぼが終わると次の田んぼの草刈りです。合計15か所回るのですが、最初の田んぼに戻る頃には再び草が生えている。よって、このローテーションは稲刈り直前まで続きます。

うちはJAが推進する農薬使用量を半分以下まで減らしている低農薬栽培です。除草剤を散布しないと、このように草がどんどん生えてきます。となると、82歳の体力では非常に厳しい。

私の時代は農薬使用量を「0」にして、草が生えないように進化した「紙マルチ田植え」に取り組むかもしれません。

となると、専用の田植え機はこれまでの倍の「500万円」かかります。プラス、紙マルチ1本5000円。紙マルチの必要経費だけで100万円です。紙マルチ交換要員として人も2~3人は必要となる。

ただし「紙マルチ田植え」と言っても多少の草は生えてきます。そうした草を放置すると美味しくお米は育ちません。無農薬栽培米の多くが「美味しくない」というのは、そのような理由からでしょう。

日本農業は日本存続の歴史

多くの国民は5キロ「4000円」を「高い」と言います。さらに、意識高い系の国民が望む「農薬を使わないお米」となると、5キロ「8000円」でもギリギリ。いや、人件費を計上すると赤字です。

尚、ネット上で配信されている「農薬を使わない米づくり」の情報もあてにならないですね。あまりにも「誤情報」が多いように見受けられる。それを信じてシェアしている人もいる。

なかには「辰巳さんところもヒントになるよ」とわざわざ教えてくる人もいる。私としては「あなたがやって見せてよ」って言いたくなる(苦笑)

うちの農園はわかっているだけで300年の歴史があります。おそらく弥生時代から今日まで引き継がれている農地とも言われている。天理教を興した「中山みき」が生まれた小屋も田んぼの一角にある。

300年と言えば、アメリカの歴史よりも長い。アメリカなんて日本と比べれば一個人の農地の歴史よりも短いってこと。日本を舐めてはいけませんね。アメリカ、中国は「日本存続の歴史」を学んだほうが良い。

そもそも農地は誰のものでもなく「天」のもの。我々のような農夫は天に仕われて何百年も何千年も農地を耕し続けている。そもそも「米づくり」は「神事」なのだ。

たかが農業かもしれないが、親父が働くこの場所には壮大なロマンがある。

親父、いつもありがとう。

いつも多くを語らない親父の背中は私の教科書の1ページとなっている。

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