過去35年間にわたる全国JAの玄米60キロあたりの平均買取価格です。1960年~90年代は比較的に農家も潤っていた時代です。
当時、日本国民はスーパーに行って現在に近い価格(5キロ3500~4000円)でお米を買っていたという事実があります。実際にシニア世代には当時のことを覚えている方も多い。
ですが、現在の日本国民のようにお米の価格にクレームをつける人が少なかった。なぜ?
おそらく当時の日本国民は高度経済成長やバブルの影響もあって国民感情は満たされており、文句を言う人も少なかったということでしょう。つまり、今のお米の根本問題は国民所得や様々な政策に課題があるかもね。
今はコストプッシュインフレでストレスを抱えた国民の感情が爆発しているのです。
2003年小泉純一郎(進次郎パパ)内閣以降は米の自由化と大規模農家優遇補助金政策、減反政策で小規模農家イジメ。お米の買取価格は下落。JAによっては同じお米にもかかわらず玄米60キロあたり1万円を切ることも(苦笑)つまり、農政失敗の始まりです。
※スーパーのお米価格は安くて当たり前となりました。
結果的に山間地の多い日本国土に対し、農業の大規模化は合わなかったということです。多くの株式会社が農業に参入してきても産業化できなかった。つまり、大規模化で成功しているフランスやアメリカとは違い”日本農業ならでは”の課題が多すぎるということです。
たとえば、苗を植えたら水管理です。今は目の前の田んぼに水が入っていても1時間後には水漏れが起こったりします。モグラが穴を開けるからです。
水が漏れると稲が枯れます。よって四六時中、監視する体制が必要となる。台風の時は防風対策が必要となり夜中でも田んぼに行かなくてはならない。
実際に毎年のように台風の増水対策のため川に流されてお亡くなりになられている。うちの村でも過去に流された人もいる。
農業に関しては合理的にはいかない側面が多々あるからね。結果的には裏切ることのない家族経営に落ち着くこととなる。
こうした課題が解消されるまでは踏ん張るしかありませんね。
追伸1:
最近になって「乾田直播にすればいい」という知識人が出てきます。要するに野菜のように種を蒔いて稲を育てるという手法ですね。実はこれにも多くの問題があります。
まずは「種」です。鉄コーティングされた「種」が使われています。こういうのってどうなのかな?連作障害が出やすく収量も少なくなる。
代掻きをする日本式農業では連作障害なんて起こらないからね。
また「乾田直播」に適した遺伝子組み換えの「種」が外資メーカーを通じて入ってくることが懸念されているし。。
追伸2:
3年前の農業平均年齢は73歳でした。ところが現在は69歳。たった3年で3歳近く平均年齢が下がりました。若い農業従事者が増えたから?違うって(笑)では、なぜ?
答えは「70代~80代のシニア農家が一気に離農したこと」が原因です。うちの周囲もそうなっています。
今年に関してはJA買取価格が高くなることは判っているので一縷の望みに賭けてシニア農家も踏ん張っておられます。しかし、また元に戻ってしまったら(安さを求める国民の総意によって元に戻ると思いますが)一気に離農が加速することになるでしょう。
これまでは物価が上がってもお米の価格は上がらなかった。
一番良いのは国民には安く提供して農家に対しては作付けに応じた所得保証をすることでしょうね。
※うちはJA卸しから撤退しているので所得補償の対象にはなりません。

コメントを残す