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奈良県産「ヒノヒカリ」普及プロジェクト2026(前期)
6月15日に「田植え2026」が終わりましたので、ここまでの一連の流れを記録としてまとめておきます。奈良ファームでは1月の作付け会議からスタートします。農業が続けられない等の理由でお預かりする圃場もあるので、毎年確認します。


今年の圃場面積は村で一番大きいです。
ちなみに、赤枠で囲まれた農地はやむを得ない事情により「太陽光パネル」が計画されている土地です。計画が実施されると、次のような風景になります。

太陽光パネルに埋め尽くされた近所の土地
このようなことになってしまう事情も解らなくもありませんが、なんとかして昔ながらの田園風景を守り抜き、次世代に紡ぎたいと考えています。そのためにも稲作の継続は不可欠です。辰巳家のお米事業は意識の高いお客様によって支えられています。ご協力いただきありがとうございます。


土壌づくり&圃場整備(前年秋~4月25日)
前年秋の稲刈りから苗づくりをおこなう4月25日までの間には大きく5つの工程があります。
①稲刈りが終わってからひと月経過した頃に堆肥を撒き1回目の耕運(11月中旬)
②1回目の耕運後に冬の霜対策としてレンゲソウの種を蒔く(11月中旬)

③冬を越え霜が解けて土壌が乾燥したタイミングで2回目の耕運(3月中旬)
④用水路の整備と基盤整備(3月後半)
⑤苗代前に3回目の耕運(4月中旬)

用水路にU字溝を埋めます

土木作業もお手のもの
現在、横浜市在住の私は一年のうち90日近く奈良ファームに出張しております。両親の高齢化とともに出張する日数が増えています。81歳になる母、83歳になる父、共に長生きしてもらいたいです。しっかりとサポートさせていただきます。


大型バイクで出張です。
2009年より私は300年続いている奈良ファームを「存続させたい」という思い一筋で取り組んでいます。それまでは両親に任せきりでした。近衛兵として出兵した今は亡きお爺ちゃんが戦後のGHQによる農業政策の中、苦労して守り抜いた農地を親父が引き継ぎ、今日に至っています。

今は亡きお爺ちゃん(辰巳平治)です。
親父が引退した後は私が奈良ファームを引き継ぎ、盛り上げていきたいと考えています。長きにわたって奈良ファームを紡いでくれたご先祖や両親には感謝しております。また、応援してくださっている「常連さま」の「支え」あってこその「奈良のお米」です。心より感謝申し上げます。

田植え2026(4月25~27日育苗箱の仕込み)
育苗箱の仕込みには基本的に昨年秋に収穫した「ヒノヒカリ」の「もみ種」を使います。もみ種には秋の収穫の際に最も育ちの良かった圃場の種をストックしておきます。昔ながらのやり方です。

農家さんによっては翌年仕込み用の「もみ種」をうっかり使い切ってしまう場合があります。よって、親父はご近所さんの分まで多めにストックしています。そういうところ、親父らしいですね。
育苗箱ですが、まずはパレットの上に「根絡み」を防ぐため新聞紙を引きます。新聞紙でなくても良いのですが、新聞紙の方が消毒の作用が働くと考えるからです。それから床土(山の土をヘラを使って均等に乗せる作業)の工程です。

籾種落とし
さて、育苗箱の仕込みの二日目です。ここからは母(おばあちゃん)が加わり4人体制です。
前日に仕上げたパレット(山の土の上)に昨年秋に刈り取った「もみ種」を乗せて最後に覆土(肥料が入っていない土)を重ねます。※覆土は農協で購入しています
今回の仕込みは育苗パレットに300個。よって、山の土の工程を300回、もみ種落としを300回、育苗用の土を被せるのを300回を順繰りと移動させながらの仕込みです。
娘と妻は育苗箱の仕込みが終わり次第、新幹線で横浜に戻ります。ここまでは例年の流れです。いつも助けてくれてありがとう。感謝しています。
仕込んだ育苗箱は約2日間ほど寝かせた後、トラックの荷台に乗せて圃場まで運びます。

田植え2026(4月28日苗床の整備)
まずは苗床を作るところから始めます。あらかじめ土を平らに寄せておきます。そのあとにトラクターで攪拌します。この作業にはセンスが求められます。
ハンドル操作を誤らないよう、真っすぐに低速で浅めに攪拌します。
トンボを使って土壌に凹凸ができないよう、平らに慣らします。凹凸ができてしまうと苗が均等に育たなくなるので、この作業はかなり慎重です。
今年は苗床を完成させるのに丸一日かかってしまいました(笑)
こうして仕上がった苗床の上に翌日には育苗箱を設置します。100%の出来とは言えませんが、結果的にはうまくいったので良かったです。
田植え2026(4月29日苗代※育苗箱の設置)
育苗箱の設置には毎年恒例の姉夫婦の他、昨年末に結婚した東京に住む姪っ子夫婦が参加してくれました。姪の旦那はクボタにお勤めとのこと。農業つながりということでご縁を感じますね。

姉夫婦も参加してくれました。
2日間寝かせた育苗箱を500メートル離れた圃場に運びます。親父には「監督だけしてくれたらあとはやるから」とは伝えていますが、、、自らもやらないと気が済まないようです(笑)

300個の育苗箱で苗を育てます。
育苗箱の設置工程には3時間近くかかりました。この作業は腰を痛めやすいので注意が必要です。
育苗箱を置いてから鳥につつかれないようにシートを被せます。苗代花を添えて苗代の全行程が終了。苗代に花を飾るのは「丈夫な苗が育ちますように」と、日本の農村に伝わる伝統的な儀礼です。

田植え2026(苗代完成後の打ち上げ)
苗代の作業が終わったら毎年恒例のバーベキューで打ち上げです。弟夫婦がお手伝いできない代わりにお肉を差し入れしてくれました。お肉は桜井市にある「肉のカワイ」より仕入れています。
今年からは親父が整備したバーベキュー場でバーベキューです。母親が栽培してくれている野菜と肉で盛り上がりました。私と姉夫婦は焼き専門で姪っ子夫婦と両親をおもてなしです。
来年以降も「苗代」のパートは今回のメンバーで責任をもってやらせていただきます。ちなみに苗代の苗が育つまでは最低でも30日間かかります。その間、親父は毎日苗代まで出向いてもらい水の管理です。

田植え2026(5月中旬圃場整備)
5月中旬には再び奈良ファームに戻り、田植え前の準備に入ります。田植えが終わるまでの期間ですので約一か月間は奈良ファームに住み込みです。今回はSUZUKI隼で出張です。

さて、帰省の初日は「畦(あぜ)の整備」からです。地盤が弱くなった圃場の畦道に「畦塗り」を施します。圃場の水漏れ防止策です。
畦塗りは同じ村のプロ農家さんに外注します。土が固まりやすい雨の日の翌日が畦塗りのタイミングです。比較的に水漏れが起こりにくい圃場の畦には予算削減のため「畦シート」を入れます。


こちらの圃場は畦シート(グレーの部分)です。
畦の整備は4回目の耕運と並行しながら雨が降らない日に三日間かけておこないます。畦シート張りは鋤(スキ)などを使ってシートを埋め込む作業です。作業効率を考え、親父と二人で実施します。

畦が細くて草管理が難しい箇所は防草マルチを張ります。
田植え前最後となる4回目の耕運は肥料を攪拌しながらおこないます。4回目の耕運はこのあとの工程となる「代掻き」の精度にも関わってきます。よって、なるべくは深く時間をかけて「砂状」になるよう実施します。
この頃になるとトラクターの刃のコンディションが心配になります。シーズン毎に替えるのですが、4回目の段階ではかなり細くなっています。山の土は砂が混じるのでやむを得ません。

田植え2026(6月初旬代掻き)
6月に入りました。吉野川分水を通水し代掻きをする前日までに四隅の土壌の凹凸を平らにする必要があります。トラクターで平らにするには限界があるからです。
丸二日間かけてスコップや鍬で四隅の凸状の土を凹の部分に埋めていきます。圃場が20か所あるため全部で80ポイントです。道具を使ったゲームみたいで、まあまあ楽しい作業です。

いよいよ吉野川分水の通水開始です。この地域(奈良県天理市三昧田町)は、およそ6月1週目の土曜日と決められています。
あらかじめ準備しておいた土嚢やミタレを活用し、水はけや水量をコントロールします。隣の田んぼに水を流す場合などに便利です。こうした段取りは今も昔も変わりません。
代掻きは「土面8割:水面2割」の浅水を基準に水量を調整します。この圃場は水が入りすぎているので水量を調整します。

代掻きは田植えの順番に沿っておこないます。
最適な水量に調整してから代掻きがスタートです。代掻きをしてから土壌が落ち着くまでは「2~3日間」かかります。よって、2~3日は田植えはおこないません。

代掻きの後は四隅の凹凸を平らにするためトンボや鍬(クワ)で整備します。トンボは力で引っ張る作業でかなりハードなため、私が担当します。

田植え2026(6月初旬~中旬にかけて田植え)
4月後半に家族親族総出で仕込んだ苗代の苗。今年も良い感じで仕上がりました。代掻きの土壌が落ち着くまでの2~3日のうちに20か所の圃場へ苗を配ります。今年は全部で300パレットです。
田植えをする圃場から順番にパレットから苗を外し田植え機に設置します。この辺りの段取りは農家によって違います。パレットは流れてくる川の水で簡単に洗い、後日まとめてお婆ちゃんに洗ってもらいます。
田植え機の登場です。2021年に新車購入しているので今年で5年目です。親父は「圃場の入り口が狭い箇所もある」ということで、ヤンマーの4条田植え機を選びました。

田植え機を一往復だけ試運転し、ようやく「田植え」が始まりました。スタート時点では苗を8本設置します。およそ一つの圃場で約15本使う計算ですね。15本×20か所で300本という計算です。本日より5日間は植えっ放しです。
このように「田植え」をおこなう時は水を少なめにした方が見やすくて良いですね。全体のバランスを確認しながら丁寧に苗を植えていきます。
ハンドルをまっすぐに固定しながら運転します。所々で凹凸と遭遇するのでハンドルを左右に取られることも。簡単そうで慎重を要する作業なのです。
全部植わったら水門を開けて水量を調整しながら次の圃場に移動です。適量になるまでは軽トラを走らせて、まめに確認します。

5日間かけて20か所の圃場をひと通り植え終わったら挿し苗の工程です。物理的に田植え機では植えられない四隅や端っこのスペースに挿し苗をします。圃場が20か所なので合計80ポイントを二日間で回ります。挿し苗は「きつい中にも楽しさがある」って感じですね。やめられません(笑)
今年は天候にも恵まれ「田植え2026」は24日間で終わりました。田植えが終わった10日後辺りから各圃場の除草作業がありますが、ここは親父に託します。弟にも手伝うように伝えておきます。
田植え2026の全行程を終えて、ようやくひと安心です。親父とお酒を飲みながら「次回はこうした方が良いよね」と、さっそく来年の課題の確認です。近い将来には一部の圃場だけでも「有機JAS」を取得できるように努めてまいります。
次のファーム出張は土用干し(緑のライン)の日程です。段取りもあるので、遅くても7月18日には奈良ファーム入りの予定です。とはいえ、天候次第なので多少の前後はするでしょう。

嬉しいことに、横浜への帰省時には親友の前田太一君がツーリングを兼ね、バイクで岡崎SAまで付き添ってくれました。布団の丸洗いで有名な「イドタフレスコ」の社長さんです。彼の会社は「布団丸洗い」の特許をお持ちです。前田君とは高校時代からの仲良しですね。

追伸:
2025年度のお米ですが、少しばかり在庫あります。よかったらお試しください。リンク先が見れなかった場合はお気軽に辰巳勝則の携帯「080-3726-3183」までお電話ください。






















