日本人の食卓は日本人で守り抜きたいですね。

心配しなくても、今年と来年はお米も安く流通すると思います。昨年の備蓄米の出しすぎが大きな要因ですね。近く高市事務所宛に「この件」について手紙を送ろうと考えています。

実際に昨年のお米はJAや卸売業者の倉庫内でもかなり余っています。自業自得だと思います。

うちは「BtoC専門」なので、それほど影響は受けておりません。常連さまが買い支えてくださっているおかげです。対して、町の米屋さんなどは閉店せざるを得ない状況へと追い込まれています。

そうした状況を「ざまぁみろ」という声も散見されます。ビジネス優先で高く売られていたのも事実ですからね。私にもそういう気持ちは正直あります。

しかし、3年、5年、10年スパンで考えると、近い将来は”ほぼ確実”にお米の価格は高くなっていくことを、農業従事者として肌で感じています。ポイントは二つ。

一つ目は、やはり「資材の高騰」です。5年前の30~50%の割合で価格が上がっています。農機具一つとってもそうです。かつては390万円の新品トラクターが今では「550万円」です。

二つ目のポイントは「米農家の減少」です。これはもう「待ったなし」の課題です。作り手がいなくなるわけですから、国内で採れる収量も減るのは当たり前。

こういうことを言うと、以下のようなことを言う人が増えてくる。代表的なのを3つだけ挙げると

1:「どんどん安いお米を輸入すれば済む話」
2:「大規模化して効率を図れば簡単に解決できる」
3:「中小規模農家はこの際、いらないよね」

といった論争です。

農業従事者として”一つ一つ”反論させていただきます。

1に関しては「日本の課題(問題)を外国に解決してもらうのはただの依存でしょ」ってことです。その外国がダメになったら「日本滅ぶよ」ってことです。

2に関しては様々な角度から反論があります。そもそも日本は大規模農業を推進する法案を1990年代に通しています。30年以上経過しても一向に進んでいないことから、その原因がわかるのです。

大規模化というのは家族農業ではなく組織農業にするということです。つまり「人×テクノロジーで効率を図る」という考え方ですね。これは簡単そうでかなり難しい。

というのも、農業は自然が相手だからです。台風の日は夜中でも起きて圃場を守らないといけなくなります。氾濫する川の水を調整するためには寝ずの作業です。

この危険な作業で毎年人が亡くなったり、大けがを負ったりします。私の村でも死人は出ています。昨年は下半身不随になったベテラン農家さんもいる。

そのような作業を「夜中に起こしてまでして、社員にやらせられるのか?」です。

また、もぐらが穴を掘ればすぐに水漏れ箇所を把握して止水しなければならなりません。モグラの穴は数十メートルにも渡ると1時間単位の作業となります。穴が開いた個所を埋めれば済む話ではない。

プラスして稲を食いちぎるジャンボタニシとの戦いですからね。

我々農業従事者は時間帯関係なく毎日田んぼを巡回する理由は、そうした問題が大きくならないうちに手を打つこと、これに尽きます。

なので農業というのは「組織では成立しづらい仕組み」なのです。家族経営が97%以上占めているのは、家族だからこそ「こうした理不尽に向き合えている」ってことになります。

それでいて、利益率も低く、それほど儲からない。。

20年以上前に、当時は破竹の勢いで拡大していた「ユニクロ」が農業事業に参画しました。しかし、一年もたたないうちに撤退しているからね。当時のユニクロ幹部が「チャレンジしたが難しい課題が数多にあった」と言っていたことを記憶しています。

そもそも大規模集約や効率化によって「儲かる農業」が実現するのなら、とうの昔に大手企業が参入しているはずです。クボタもヤンマーも農機具だけではなく、農業生産にも力を入れるはずなのです。

そう、あらゆる角度から考えても「大規模集約化」は日本の国土には不向きであることは否めません。もちろん、この課題については私も常日頃から考えてはいますけどね。

よって「3:中小規模農家はいらない」という意見は「ナンセンスですよ」ってことになる。むしろ、中小規模農家さんが増えないことには日本の稲作には限界があると考えます。

カナダのような広大な平地が日本にあるなら話は別ですけど。。

お米は工業製品のように「大量生産」とはいかないからね。赤ちゃんを育てている母親の気持ちに近いものがあるかもしれません。お母さんは24時間赤ちゃんをお世話するからね。大変でも「やるしかない」のです。

長々と失礼しました。

追伸:

土用干し5日目です。少しづつ地面が割れてきました。

良い感じです(^_-)-☆

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