小規模農家って必要なのか?の議論について。

コメ問題においては「暴論コメント」があまりにも目立ちます。特にYouTubeですね。

お米の問題は身近な問題なので熱くなる気持ちは理解できます。ところが、そうした暴論を吐いている(書いている)人って「米作りをやったことがない人」が、ほとんどではないでしょうか。

で、今回の話題は「小規模農家って必要なのか?」の議論。

生産コストで考えると大規模農家の方がメリットがあるのは事実。ある大規模農家は玄米30キロ当たりのコストが5千円。ある小規模農家は1万円、つまり「倍」ちかく違ってくる。

だからといって「小規模農家が悪の元凶」というのはお門違いというものです。

例えば、大規模推進派の農業系ユーチューバーの動画コメント欄に書かれていたコメント内容。そこには

「3ヘクタール以下の小規模農家は撤退しろ!」
「小規模農家は大規模農家に農地を提供して効率化を図れ!」
「ご先祖が守ってきた?いつまでも土地に執着するな!」

などと書かれていた。

また、そのようなコメントに複数の「いいね」が付いていたのだ。うーん(苦笑)

そもそも3ヘクタール規模の農地って山間部や住宅地にあるものがほとんど。そう、大規模化するには条件が悪いんです。誰も借りたがらないのです。むしろ効率が悪くなるからです。

というのも「3ヘクタール」といっても20アール以下の圃場が20個、30個と散らばっているのがほとんど。なので、かなり非効率なんです。大規模・小規模にかかわらず、誰もやりたくはない。

よって、営農できる体力と気力があるうちは、地主である小規模農家さんに頑張ってもらった方がいいのです。

仮にですよ。その小規模農家の体力と気力がなくなり、山間部や住宅地にある「3ヘクタール」が「耕作放棄地」になったとします。すると、どうなるのか?

1年も経たないうちに、そこは「病虫害の温床」になってしまいます。近隣の住宅からもクレームが来るでしょう。山間部ではイノシシやアライグマが街まで降りてくることも、実際にはある。

それでも「撤退しろ」と言うんですか?

よーく、考えてみましょう。

まぁ「小規模農家はいらない」と暴論を吐く方の考えも理解できなくもありません。というのも、国の方針も(言葉には出さないけど)「小規模農家はいらない」という考えが見え隠れするからです。

あまり知られていませんが、農水省によれば、玄米30キロあたりの生産コスト目標は「3000円」です。ところが、実際には玄米30キロあたり「9000円から1万円」という農家が多い。

なんと、国の目標の3倍コストです。

このことからも国自体は大規模推進に力を入れており「小規模農家は必要ない」というスタンスなのです。概算金割れしようとしまいと、そこは冒頭の「暴論を吐いている方」と同じ考え方なのです。

尚、こうした議論は今に始まったことではありません。

そもそも農地の大規模集約は1990年代前半から国を上げて力を入れてきた政策です。でも、一向に進まないのは「何かが違う」ってことです。そう、大規模化にはことごとく失敗しているのです。日本は地理的上、計算通りにはいかないからです。
それは以前にも書いた通りです。

アメリカやカナダのような大規模農業ができるのは北海道や一部のエリアに限られます。スマート農業なんて、狭い日本には向いていません。そんなのに補助金をつかっても喜ぶのはメーカーです。

それよりも現実的な施策「基盤整備」に力を入れないと。基盤整備については大規模も小規模もコストダウンが図れる共通の施策だからです。

ちなみに私は「国防」という観点から、小規模農家が果たす役割と大規模農家が果たす役割は違うと考えます。

大規模農家にはお米を沢山作っていただき、お米離れにならないように消費者が手に取りやすい価格帯を目指していただく。食糧安全保障にもつながります。

小規模農家はそれを補完する働き+付加価値栽培+産直にこだわる。地域密着型で商品開発をする。動物からの防衛や地域の防犯としての役割等々。

それぞれの棲み分けがあっても良いと考えます。

追伸:

近い将来には農業資材が輸入できなくなることも考えられます。それはそれで、日本独自の手法で国力を上げるチャンスだとも思うのです。

日本は山林と水が豊富です。日本独自の腐葉土を活かした肥料を開発するなど、なにがしらの手立てがあると思います。

そもそも「農薬や化学肥料を使わない農業」「外国勢力からの脱却」へと、転換を図る機会になるかもしれません。

私も残された人生の中で「やるしかない!」と思っています。

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